フリーランスの年金ガイド【国民年金・付加年金・iDeCoの増やし方】

執筆者:

カテゴリ:

会社員をやめてフリーランスになると、多くの人が「あれ、年金ってこれだけ?」と不安になります。会社員時代にあった厚生年金(2階部分)が無くなり、フリーランスは原則「国民年金」だけになるからです。放っておくと、将来受け取る年金は会社員よりかなり少なくなります。

でも、フリーランスには自分で“2階・3階”を上乗せできる制度がちゃんと用意されています。しかもその多くは節税にもなるお得な仕組みです。この記事では、国民年金の基本から、付加年金・国民年金基金・iDeCoの違いと、どの順番でやればいいかまでをやさしく整理します。

フリーランスの年金は「国民年金」だけ?会社員との違い

日本の年金は「2階建て」とよく言われます。1階が全員共通の国民年金(基礎年金)、2階が会社員だけの厚生年金です。会社員は給料から自動で両方引かれ、保険料の半分を会社が負担してくれます。

一方フリーランス(第1号被保険者)は、1階の国民年金だけ。会社の負担もなく、保険料は全額自己負担です。つまり何もしないと、将来の年金は会社員よりずっと少ない――ここがスタート地点です。だからこそ、次で紹介する「上乗せ」を知っておく価値があります。

まず基本:国民年金のしくみと「払えないとき」

国民年金の保険料は全員一律で、2026年度(令和8年度)は月17,920円です(毎年度改定されます)。20歳から60歳まで納めると、原則65歳から老齢基礎年金を受け取れます。

払うのが厳しいときは「未納」より「免除・猶予」

収入が不安定な時期に一番やってはいけないのが「何もせず未納にする」ことです。所得が低い場合は、申請すれば保険料の免除・納付猶予が受けられます。免除なら、その期間も受給資格や年金額に一部反映されますが、ただの未納は完全にゼロ扱い。困ったら未納で放置せず、まず市区町村の窓口や年金事務所に相談しましょう。

✔️ 国民年金の保険料は、全額が社会保険料控除の対象。払った分だけ所得税・住民税が下がります。節税の全体像もあわせてどうぞ。

月400円で一番おトク?「付加年金」

フリーランスがまず検討したいのが付加年金です。国民年金に月400円を上乗せして納めるだけで、将来の年金額が「200円 × 納めた月数」ぶん、毎年ずっと増えます

たとえば10年(120ヶ月)納めると、支払いは合計48,000円。将来の上乗せは年24,000円なので、受け取り始めて約2年で元が取れる計算です。以降はずっとプラス。少額で始められて効率が良い、最初の一歩におすすめの制度です。

⚠️ 付加年金と次の「国民年金基金」は同時には入れません(どちらか一方)。まず付加年金で小さく始め、余裕が出たら基金やiDeCoを検討、という順番が分かりやすいです。

さらに手厚く:国民年金基金とiDeCo

もっと年金を厚くしたい・節税もしたいなら、国民年金基金iDeCo(個人型確定拠出年金)の2つが柱になります。どちらも掛金が全額所得控除で、節税しながら老後資金を積み立てられます。

  • 国民年金基金:受け取る年金額があらかじめ決まっている“上乗せ年金”。安定志向の人向け。付加年金とは併用不可。
  • iDeCo:自分で運用商品を選び、その結果で受取額が変わる。運用益も非課税。フリーランス(第1号)の掛金上限は月68,000円(国民年金基金の掛金や付加保険料と合算した上限)。付加年金を納めている場合、iDeCoの上限は月67,000円になります。

iDeCoの始め方や節税メリットはフリーランスのiDeCo(イデコ)とは?で詳しく解説しています。似た制度の小規模企業共済(退職金づくり)と組み合わせる人も多いです。

年金の上乗せのおすすめ順(国民年金→付加→iDeCo→基金)
小さく始めて、余裕が出たら手厚く。

結局どの順番でやればいい?優先順位とFAQ

迷ったら、次の順番が分かりやすいです。

  1. 国民年金をきちんと納める(厳しければ未納ではなく免除・猶予の申請)
  2. 付加年金(月400円)を足す ─ 少額で効率が良い
  3. 余裕が出たらiDeCoで節税しながら積み立て
  4. さらに手厚くしたい・安定重視なら国民年金基金(付加年金とは択一)

Q. 会社員時代の厚生年金はどうなる?
A. 過去に納めた分は将来ちゃんと受け取れます(消えません)。フリーランス以降が国民年金のみになる、ということです。

Q. 付加年金とiDeCo、両方できる?
A. できます。ただし付加年金を納めると、iDeCoの掛金上限が月67,000円に下がります。

Q. 保険料が控除になるのはどれ?
A. 国民年金・付加保険料・国民年金基金は「社会保険料控除」、iDeCoは「小規模企業共済等掛金控除」で、いずれも全額が所得控除の対象です。

その前に ─ 今の働き方、ちゃんと利益が残ってる?

年金の上乗せも、iDeCoも、原資になるのは「手元に残るお金」。まずは今の稼ぎ方で、時間あたりどれだけ利益が出ているかを知るのが第一歩です。案件ごとの売上・経費・稼働時間を入れるだけで、実質時給や粗利が分かる無料ツールを用意しています。

▶ 無料ツールで実質時給を計算してみる

📘 あわせて読みたい:フリーランスのお金 完全ガイドiDeCoとは?国民健康保険を安くする方法

※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の制度への加入を勧誘したり、投資・財務に関する助言を行うものではありません。保険料額・上限額・制度内容は改定される場合があります。実際の手続きや金額は、日本年金機構・お住まいの市区町村・各運営機関の最新情報をご確認ください。