「仕事用にパソコンを買ったけど、全額その年の経費にできるの?」——これ、買った金額によって扱いが変わります。10万円を境に、一度に経費にできるか、数年に分けるか(減価償却)が決まります。この記事では、パソコンやスマホを経費にする方法を、金額パターン別にやさしく整理します。
大前提:仕事で使う分だけが経費(家事按分)
パソコンやスマホを仕事とプライベートの両方で使うなら、経費にできるのは仕事で使っている割合ぶんだけです。たとえば仕事7割・私用3割なら、7割を経費にします。この考え方が家事按分です。仕事専用の機材なら全額が対象になります。

金額で変わる4つのパターン
取得価額(本体価格+付随費用)によって、経費のしかたが変わります。
- ① 10万円未満:買った年に全額を経費(消耗品費など)。一番シンプル。
- ② 10万円以上20万円未満:一括償却資産として3年間で3分の1ずつ経費にできる。
- ③ 青色申告で30万円未満(2026年4月以降は40万円未満):少額減価償却の特例で、その年に全額を経費にできる(後述)。
- ④ 上記に当てはまらない高額なもの:通常の減価償却(パソコンは耐用年数4年で数年に分けて経費化)。
迷いやすいのは10万円前後。10万円未満なら悩まず全額経費と覚えておくとラクです。勘定科目は勘定科目一覧も参考に。
青色申告の「少額減価償却」特例(30万→40万円)
青色申告をしている個人事業主は、少額減価償却資産の特例を使えます。これは、1個あたり30万円未満の資産を、その年に全額経費にできるという制度です。しかも制度改正により、2026年(令和8年)4月1日以降に取得したものは「40万円未満」まで対象が広がりました。
ポイントは次のとおりです。
- 対象は青色申告をしている中小事業者(個人は常時使用する従業員が一定数以下)。
- 年間の合計300万円までという上限がある。
- 期間限定の特例で、適用には期限がある(延長されてきた制度なので、利用時は最新の適用期限を確認)。
20万〜30万円台のパソコンをその年に全額経費にできるのは大きなメリット。青色申告にしておく価値がここにも表れます。
スマホ・周辺機器・ソフトはどうなる?
基本の考え方はパソコンと同じで、金額と「仕事で使う割合」で決まります。
- スマートフォン:本体代は金額に応じて①〜④のパターン。通信費は使用割合で家事按分。
- モニター・キーボード・マウスなどの周辺機器:多くは10万円未満で、その年に全額経費にしやすい。
- ソフト・サブスク:会計ソフトやツールの月額・年額は、その期間の経費(通信費・支払手数料・消耗品費など)に。
よくある質問(FAQ)
Q. 税抜と税込、どっちの金額で判定する?
A. 原則として、あなたの経理方式(税込経理か税抜経理か)で判定します。免税事業者は通常税込金額で見ます。
Q. 分割払いで買ったら?
A. 取得価額の判定は「支払い方法」ではなく「そのモノの価格」で行います。分割でも本体価格で判断します。
Q. 中古のパソコンは?
A. 中古でも同じ考え方です。金額に応じて全額経費または減価償却になります。
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※本記事は2026年時点の一般的な内容をまとめたもので、税務アドバイスではありません。少額減価償却の特例の金額・上限・適用期限は改正されることがあります。実際の処理は最新情報を国税庁・税理士等でご確認ください。